「易しい参考書」を使いこなせば英語の土台ができる
奈良教育ゼミナールでは、英語の授業で『学研ニューコース』という参考書を使っています。
かなり易しく書かれた参考書です。しかし、私はこの参考書を英語指導の柱にしています。
易しい参考書だからといって、その内容を完璧に身につけている生徒はほとんどいないからです。
そして、ここに書かれていることをきちんと理解し、使えるようにしていけば、中学英語としてかなり高いところまで到達できます。
もちろん、難関校の入試問題などに対応するには、これだけでは足りない部分もあります。そこは授業で補い、教科書や塾用教材、入試問題なども使います。
それでも、英語学習の中心には、あえて易しい参考書を置いています。
英語は、一度習っただけでは身につかない
英語は、一回の授業を受けて、「分かった。これで終わり。」とはなりにくい教科です。
そのときは理解できても、しばらくすると忘れます。以前習った文法が分からなくなったり、似た表現と混ざったりすることもあります。
だから英語では、分からなくなったときに、自分で戻れる場所があることがとても大切だと考えています。
参考書なら、授業でよく理解できなかったところを、あとでもう一度自分で読むことができます。以前習ったことを忘れても、該当するページを開けばいい。
「ああ、そうだった。」
と確認して、また先へ進むことができます。
先生にもう一度教えてもらわなくても、自分で穴をふさぐことができる。
これが、参考書を英語学習の柱にする大きな理由です。
「まとめ」は、初めて学ぶ人には難しい
塾でよく使われる問題集にも、文法事項をまとめたページはあります。
たとえば、
<主語+動詞+(人)+(もの)>の文で、(もの)の部分がthatになるとき……
といった形で、文法事項が短く整理されています。
これは、一度きちんと理解した人が確認するには便利です。しかし、初めてその文法を学ぶ生徒や、英語が苦手な生徒にとっては、説明が圧縮されすぎています。
一方で、すでに十分理解している生徒なら、その説明を詳しく読む必要もあまりありません。
私は、こうした「まとめ」だけを英語学習の土台にするのは難しいと考えています。
まずは易しく、丁寧に書かれた参考書で理解する。教科書で実際の英文に触れる。問題集で使ってみる。そして、忘れたらまた参考書に戻る。
奈良教育ゼミナールでは、参考書+教科書+問題集を組み合わせて英語の授業を進めています。
易しい教材でも、到達点は低くない
「易しい参考書を使うと、英語が得意な生徒には物足りないのではないか。」
そう思われるかもしれません。
しかし、教材が易しく書かれていることと、到達できる学力が低いことは別です。
基本的な文法をきちんと理解する。何度も英文を読む。覚える。日本語から英語に直す。忘れたところは参考書に戻って確認する。
それを積み重ねれば、かなり高いところまで行くことができます。
実際、英語が苦手だった生徒にもこの学習法は好評です。この方法で学習を続け、英語の偏差値が70以上になる生徒も出ています。
難しい教材を使うから、高いところまで行けるのではありません。
易しい教材でも、きちんと理解し、何度も使い、自分のものにする。
私は、その方が英語を伸ばすための強い土台になると考えています。